キネマ屋

日々の記録、趣味にまつわる思いを書き綴りたいと思います。

Gのレコンギスタとガンダムの違い

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Gレコは再評価される、必ず。

 

よくGレコは分かりづらい、感情移入できない、なぜ闘っているのか分からないといった意見をリアルタイムで視聴していた時、そして今でもよく目にします。

 

私は初めてリアルタイムで富野作品にがっつり向き合えたのがGレコでした。

それは毎週、テレビにかぶりついて視聴。

リアルタイムの時も毎話見た後は??だらけで次の週まで4回は見直したぐらいでした。(このことを考えると確かに分かりづらいのか)

でも、用語がわからなかったり、単純に話が面白くて何度も味わう意味で見返していたきがします。

 

視聴後にTwitterでの考察に加わるのも楽しかった。

Gレコは、主人公が船に乗り仲間たちと宇宙の果てまで旅する話。

その冒険の先に何が見つかるのか、そこにワクワクさせてくれる、子供に刺さる内容だと思っていました。

 

ガンダム=戦争』というイメージが特になかったから冒険物として楽しめたとも思います。

 

Gレコに拒否反応を示している人には、ガンダムは戦争ものだという思考回路が根付いてる気はします。たしかに私が1番好きなシリーズは∀ガンダム、戦いよりもドラマが大好きなんです。

戦いはそこまで求めてない、でも、ああいった兵器の必然性を考えると勢力の衝突は起こる。

 

話をGレコに戻すと。

 

戦争ではなく、冒険物語、現実に地続きでもある宇宙進出を現実味をもって見れない大人には響きづらかったのか。社会に出て、どこか閉塞感を抱える世代には見てても気分が乗らないのかもしれない。

 

子供には壁がなく、宇宙という好奇心をくすぐる世界が広がる。

 

このモデルは、幼少期から宇宙に憧れた富野監督自身と重なる気がします。あるいは昔の自分に向かってメッセージを送るような気分なのかもしれないと思える。

 

 

宇宙進出は近年ベンチャー企業や、宇宙エレベーター協会といったものが真剣に取り組んでいる。が、それ自体が、本当は危険ではないか、というのが監督のメッセージ。これはいろんなインタビューでも言われている。

 

だから辞めろ、というのではなくて、その問題に気づいた子供達がその解決策を思考するためのフックになっている。

 

大人はその問題に気づいても自身でどうこうできるものでないと諦めがあるだろうし、生活を立てる者として生き方が決まってしまった感がある。メッセージ性があるアニメ自体が減っている昨今では、嫌悪感を持つ可能性するあるかもしれない。

 

ゆえに監督は初めから子供をターゲットに話を作った。しかし、大人が納得する設定、世界観は作り上げた上で。ガンダム先入観を持たずに見れた人には、子供心に戻った気持ちで見れたとても幸せな骨太アニメ体験になりました。

 

 

○エネルギー論について思ったこと

 

gレコの世界では、現実にはない未知のエネルギーとしてフォトンバッテリーというマテリアルがある。これは世界共通のもので、かつ、そのエネルギーはキャピタルテリトリーという一国が独占、配給している。

 

現実的に考えればありえない支配図と思っても、この世界では人類が滅びかけた歴史があり、文明レベルも崩壊、その行く末は人類共食いまでして何とか生き延びたという過酷なバックボーンがある。

 

そこまで荒廃した歴史があれば、社会はリセットされ、一国支配のエネルギー供給もありえると思えるのは、さすがの世界設定。富野監督の手腕だと思います。

 

 

あとはその未知のエネルギーがどこで作られ、限界がいつ訪れるか。そんな根本的なことを考えない人というのは、まさに今を生きている自分のことをズバリ言われてる気がしました。

 

電気がどこで作られ、限界はあるのか、何も考えず今日もスマホの充電をコンセントから行なっている。福島の原発、それが作ってきたエネルギーもあっただろうに、事故が起こるまで存在を知りもしなかったのはなんて危険な事か。。。。

 

あまりにも経済、政治に興味を持たずのうのうと生きてきたのか、確かに考え出すと辛くなるアニメ作品です。

 

しかし、そのきっかけをくれたのも確かです。

エンターテイメントしていて面白いストーリーもあって、現実に身に迫る問題提示もある、それがGレコだと思います。

 

戦う意味も、一つしかないエネルギーを奪い合っている、宇宙に住まざるを得なかった人たちが地球に戻りたがっている(なら支配下におきたいと当然反発する地球側がいる)、この2つぐらいではないのか。。なんで分かりづらいと言われるか。

 

毎週何本ものアニメが放送されてて、ながら見するのが当然。

分かりやすくしないと見向きもされないから、Gレコのように多少は世界観、支配図といったものを考えさせる要素があるから、考えずにアニメを消費してしまうようになったアニメをよく見る層に『拒否』されてしまったのか。

 

それでも子供なら、毎週いろんなアニメを見るようなこともないかもしれない。気になって引っかかれば、それだけを繰り返し見ることもあると思う。

 

間違いなく、『Gレコは未来の世代に向けて』作られた作品なんだろうなと思います。けど、そんな作品が好きだから、大人になってしまった私でも『子ども心』を持って見れば、とても元気がもらえる冒険アニメです。

 

そんなことを改めて考え、劇場版GのレコンギスタⅢを首を長くして待ち続けようと思います。